【主要内容】 製造物責任問題で、企業にもっとも大切なことは、法律論ではなく、製品事故を発生させない安全な製品を消費者・使用者に提供していくための「技術書による設計技術・警告表示を中核とする製品安全活動」である。しかし、そこでの長年の問題は、“では、具体的に、どのような技術、技法にもとづいて、企業は製品を安全なものにできるのか”という課題への解答が与えられないことであったと言える。そして、いま、本書、「R-Map実践ガイダンス」が、この課題への解答になると確信している。本書は、リスクマネジメントプロセス(R-Map)手法の実施による将来に向かっての安全な製品の社会への提供、消費者の保護、それを通しての企業の利益追求を確実に展開するための有力な技法を明らかにしている。さらに、現在、多くの企業不祥事事件の中に製造物責任もしくは製品安全に関係するケースが後を絶たないが、本書は、企業経営トップに対して「R-Map手法による定量的な製品リスク判定方法」を通してよりわかりやすい経営判断情報を提供することができるようになる点でも役に立つものになっている。
【主要目次】 第1章 リスクマネジメントの基本 リスクの概念/リスクマネジメントの手順/リスファインディングの技法 第2章 リスクマップ(R-Map)手法 国際規格におけるリスクマトリックス/R-Mapとは/R-Mapを利用し たマネジメント/安全対策レベル/リスク低減の原則 第3章 R-Mapの実践手順 対象製品の確認/ハザード・マトリックスの作成/リスクファインディング /リスクアナリシス/リスクコントロール/報告書の作成 第4章 R-Mapの実践事例 事例研究の背景/複写機での実施事例/BSE(狂牛病)リスク分析へ の応用/企画段階での実施事例/ヒューマンファクターの評価/安全装 置/リコール判断 第5章 他の分析手法からR-Mapへの展開 付属CD-ROMについて