「TQC(全社的品質管理)活動が、品質保証、新製品開発、原価低減、企業体質の改善などに大きな成果をあげてきたのは、そこにQC(品質管理)特有の合理的な考え方があるからである。“TQCの基本”――それは“QC的ものの見方・考え方”にある。
本書では、「品質第一」、「PDCAのサイクル」、「重点指向」、「ファクト・コントロール」、「消費者指向」、「QC手法の活用」、……など、QC的ものの見方・考え方における20項目を厳選して、これらの各項目に対して「言葉の意味」、「効果的な進め方」、「実施事例」の3つの視点から、実践的に解説している。」
TQCは時代の流れに合わせてTQM(全社的品質管理)へと名称は変化しましたが、激変する現代のビジネス環境下で競争力のある組織を運営するうえで変わらず重要視されており、さまざまな組織のトップ・部課長・スタッフが身に着けておくべき普遍の考え方です。
京都大学教授 故 近藤良夫先生の推薦の言葉:1984年刊行の底本より
「近代的品質管理は、わが国への導入以来、全社的品質管理へと拡大・発展し、諸外国にも受け入れられ、効果をあげつつある。一方、わが国は社会の均一さが顕著であり、プロフェッショナリズムが微弱であるだけに、それなりの長所と短所がある。たとえば全社的品質管理の定義や内容も、まだ画一的にまとめられたものがないという批判もまま聞かされる。
細谷さんとは、彼の日科技連QCベーシックコース終了以来、長年の親交がある。その間、細谷さんはきわめて広い範囲の品質管理の教育・訓練、普及・浸透に努めてこられた。このような努力には、畏敬の念を惜しまない。
今回、細谷さんは長年にわたる数々の貴重な研究と体験をもとに本書を上梓された。ここに述べられている内容は、著者なりにまとめられた見方と考え方に関するものである。本書は読者諸賢の品質管理に関する理解を深め、その実施にあたって大いに役立つにちがいない。また、本書は品質管理の貴重な文献の一つとして、将来いろいろと活用されることとなろう。」
第1章 企業体質の強化
第2章 全員参加の経営
第3章 品質第一
第4章 PDCAのサイクル
第5章 重点指向
第6章 ファクト・コントロール
第7章 プロセス・コントロール
第8章 消費者指向
第9章 後工程はお客様
第10章 QC手法の活用
第11章 問題解決の手順
第12章 標準化
第13章 バラツキ管理
第14章 再発防止、未然防止
第15章 源流管理
第16章 教育・普及
第17章 方針管理
第18章 機能別管理
第19章 QC診断
第20章 人間性の尊重