品質とは、不良を出さないことだけではなく、規格を満たすことだけでもありません。品質とは、その価値を、どこまで保証するのか、その判断を企業として引き受けることです。
AIは判断を助け、DXは選択肢を広げます。しかし、どこまでを保証するのかという線を引くことは、どの技術にも代替できません。本書は、品質を「管理」ではなく「意思決定」として捉え直す試みです。そして、その意思決定を支えるための考え方と構造を、「SDQキューブ」、「感性思考」、「共創型品質保証」を通して、理論と実践の両面から提示します。
もし本書を読み進める中で、あなたが立ち止まり、「自分ならどう決めるか」と考え始めたなら――それこそが本書の目的です。
【著者紹介:細見純子】
(一社)中部品質管理協会に35年以上勤務し、品質管理・品質経営の普及推進、企業指導に携わる。
2022年「2030年の質価値創造研究会」を創設・主宰。著書に『2030年の品質保証―モノづくりからコトづくりへ』(日科技連出版社、2021年)。
現在は、品質経営と価値創造、人の感性・身体知をつなぐ研究と実践を展開している。
水墨画家としても国内外で活動し、本書では「余白」の思想を品質の世界へ展開。表紙画・デザインも自ら手がけた。
第Ⅰ部 品質を決めるのは誰か
第1章 なぜこれまでの成功モデルが通用しなくなったのか
第2章 質価値とは何か
第3章 意思決定の構造を読み解く-SDQキューブによる可視化-
第4章 AIは意思決定を代替できるのか-SDQキューブによる価値設計プロセスから見えたこと-
第5章 感性は意思決定を変える-AI時代のマネジメントにおける新たな役割-
第6章 共創型品質保証-意味を設計するマネジメントへ-
第7章 専門家との対話-思考を引き出す10の問い-
終 章 意思決定とは何か
第Ⅱ部 SDQテンプレート実践ガイド-SDGs・DX・QCを統合し、価値設計と意思決定につなげるために-