【主要内容】 製造業各社の主力製品(主に組立型製品)の新製品開発は雛型皆無の新発明ではなく、模型が既存の新設計である。その新製品設計の基本計画業務は、製品の品質設計(広義の品質、製品の機能・性能、および材料、構造と寸法、デザインなどの機能的・構造的な特性の設計)価格(価格水準)の設定、および構造設計変更や新品種開発に伴う製品の製造原価企画に絞られる。 QDm手法は、対向製品に対する顧客満足の比較優位性を数量的に算定する。 QDm(Quality Deployment for market pricing)とは“市場価格対応品質展開手法”の意味であり、特定の価格に対して、メリハリの利いた品質特性の組合せを計画し、ワンランク上のプライスパフォーマンスを有する製品を創出する。その顧客満足度を顧客の経済的犠牲(支出コスト)に対する見返り(取得価値)の充足度として定量的に評価し、製品競争力を確認する。 本書のQDm手法はアイシン精機(株)のご主導で、トヨタ・グループ12社TQM連絡会にご協力をいただきました。
【主要目次】 第1章 企業の経済活動 製品の価値は何で決まるか/価値の交換と価値生産の仕組み/経済的 価値(経済学理論)とその問題点/製品の値下げ競争防止策 第2章 製品の品質とは何か 用語「品質」の拡張/品質の構造/品質要素の抽出/製品品質の定義( 私論2003) 第3章 製品の価格対応品質とQDm 製品の価格対応品質/製品の進化 第4章 QDm手法のプロセス 【A】NEON:品質と価格のトレード・オフ/原価企画/QDm手法の標準 プロセス:Step[0]~[12]/QDm計算の数値的不確実性とQDmの限界 /製品戦略とQDm 第5章 QDm手法の事例 【B】温水洗浄便座/【C】テレビドアホン/【D】冷凍冷蔵庫/【E】価値革 新の事例/【F】高級乗用車とQDm計算の限界 終章 :結びにかえて