【主要内容】 品質工学にはMT(マハラノビス・タグチ)システムという分野があります。田口玄一博士が考案された多次元情報からパターンを認識する情報システムの分野です。これまで多くの技術者は品質工学をハードウェアの技術開発の方法と捉えてきましたが、1990年代に入り、品質工学がソフトウェアの分野にも応用できることがわかり、にわかに注目を集めてきました。 MTシステムは、保健・医療の分野から、産業分野、企業経営の評価、福祉の分野へと活用の世界が広がってきています。MTシステムには3つの方法がありますが、ここでは、従来から一番使われてきたMT法に絞って話をすすめます。 初めてMT法に触れる人にも、少しでもわかりやすくなるように文章と絵・表図を半々にし、できるだけ平易な表現になるように工夫しました。 基礎編では、わたしたちの共通の関心事である健康診断を例にMT法を解説し、応用編では、身近に感じ、かつ応用範囲が広いと思われる事例を紹介します。めんどうな計算式や初級の域を出ている話はQ&A編にまわしました。(本書まえがきより)
【主要目次】 基礎編 MTシステムの始まり/MTシステムが役立つ分野/MT法とは/医学へ の応用のはじまり/40歳以上の健診は不安がいっぱい/40歳以上の健 診では「要精密検査」が1/3/検診の総合判定はどのようになされている の?STEP1 検査項目ごとの判定、STEP2 血液検査の系統ごとの判 定、STEP3 検査グループについての判定、STEP4 総合判定/従来 の健診の問題点/MT法を健診に応用するメリット/MT法の手順/診 断の問題/人間の豊かさへの貢献の可能性 応用編 外観検査への応用/製造工程の管理への応用/医療分野への応用/ 看護分野への応用/診断支援への応用 Q&A編 14項目/参考文献