【主要内容】 本書は、第1章ではヨーロッパのCSRへのアプローチを扱い、第2章では日本、アメリカのCSRとの相違点を示した。第3章はヨーロッパのCSRを誰がリードしているかという疑問に答えている。第4章はCSRの必然性を社会構造の変化に着目しながら解説した。第5章はヨーロッパの環境規制を扱っている。規制の細部よりも、具体例を通じてEUの政策決定過程と環境問題に関するアプローチが浮かび上がるよう工夫した。第6章、第7章はそれぞれ日本企業、日本社会のCSRを論じている。第6章ではCSRが日本の経営が無意識においてきた前提の再考を求めていることを明らかにし、競争力に結びつける方策を探った。CSRの導入手順と模範事例を中心に捉える経営書とは異なる接近方法である。終章である第7章では日本社会が持続的に発展するための課題を出発点として各ステークホルダーの役割を考察している。さらに結論として「人を育てるCSR」を提唱している。 本書の最大の目的は、CSRを通じて我々の社会と企業を考える材料を提供することにある。
【主要目次】 第1章 ヨーロッパの提案するCSRとはなにか 第2章 ヨーロッパのCSRは日米のCSRとどこがちがうのか 第3章 ヨーロッパのCSRは誰が牽引しているのか 第4章 CSRの本質はなにか 第5章 ヨーロッパの新しい環境戦略 第6章 競争力を向上させるCSR 第7章 日本はいまCSRでなにをすべきか