【主要内容】 本書は、古代エジプトの測量から始まる幾何学の歴史、ピタゴラスの定理、幾何学の公理化、解析幾何学(座標幾何学)、位相幾何学(トポロジー)、この大きな幾何学の流れのなかの座標幾何学に的を絞って執筆されています。近年の小学校から高等学校の教程において、図形に関連した単元の数は少ないのが現状であり、それ故それ以降の大学における図形に関係した事実を用いた教育に障害をもたらしています。大学の教程においても、線形代数や微積分はよく教えられていますが、座標幾何学に関する教育は近年ほとんど行われておりません。「解析幾何学」の教科書は現在はなかなか手に入れることが出来ません。しかし、数学を専攻する理学部数学科や教育学部数学科のみならず、工科系学部などにおいても図形に対する基本的認識が欠如すると、機械や建築の設計、コンピュータビジョン等、およそ図形や「かたち」の関係する様々な分野での障害になると思われます。本書は、このギャップを埋め、図形に対する感覚やその数式化の技術を身につけることを目標に書かれています。本書の内容は、現代におけるすべての空間や図形に関する数学(幾何学)の説明ということが出来ます。
【主要目次】 序文 幾何学の歴史と座標 第1章 座標とベクトル 第2章 座標変換と点変換 第3章 直線と平面 第4章 2次曲線 第5章 2次曲面 第6章 補足:行列と行列式 第7章 付録:幾何学と変換群