【主要内容】 ロバストパラメータ設計は、創始者である田口玄一博士が半世紀かけて体系化した、品質を向上させるための技術方法論である。これは、使用環境条件などの誤差因子に対してロバスト(頑健)になるように制御因子を設計することにより、特性や機能性のばらつきを低減する方法である。パラメータ設計の基本的な考え方は、ばらつきの原因となる誤差因子をコントロールするのではなく、設計に有効な制御因子と誤差因子の交互作用(誤差因子の影響がなるべく小さくなるような制御因子の水準条件)を見つけることにより誤差因子の影響を減衰させようとするものである。パラメータ設計は、制御因子の水準変更のみでばらつきの低減を図れるという、経済的かつ効果的な方法であるため、わが国の「ものづくり」の設計開発の現場を中心に利用されてきた。本書では、品質工学(タグチメソッド)、特にパラメータ設計と伝統的な統計的品質管理とのアプローチの違い、平方和の分解によらないSN比の提案および2段階設計法の数理的な側面を中心に述べた。本書は、できるだけ基本的な例を用いて説明した。
【主要目次】 第1部 ロバストパラメータ設計 第1章 パラメータ設計とは何か/第2章 パラメータ設計の理論/第3章 パラメータ設計におけるSN比/第4章 計測システムのSN比/第5章 直交表実験/第6章 パラメータ設計の適用例/第7章 非対称損失関 数にもとづくパラメータ設計 第2部 統計的品質管理 第8章 要因解析型の分析法-単回帰分析-/第9章 要因解析型の 分析法-重回帰分析-