【主要内容】 カバーに描かれた4つの図は、アンスコムという統計学者が考えた4種類のデータから作成した散布図である。散布図の様子は大きく異なるにもかかわらず、これらのデータから相関係数や回帰直線を計算すると、ほぼ同じ値が得られる。形式的な解析結果だけを求めるのではなくデータの本質を理解するには、散布図の作成や残差の検討などのていねいな解析が必要なことをアンスコムの数値例は示唆している。本書では、さまざまな手法に対してアンスコムの数値例のようなデータを示し、「それぞれの手法により何がわかるか」「示せないものは何なのか」を解説する。 本書の特徴 ・基本的なものから、実験計画法、多変量解析法にわたるさまざまな手法を取り上げて解説している。 ・データの構造が異なるのに形式的な解析結果が同じになる、アンスコムの数値例のようなデータ例を用いて、各手法の限界とよりていねいなデータの解析方法を説明している。 ・このような数値例で統計的な方法を学ぶことにより、データ解析力の向上が期待できる。
【主要目次】 (★:初級レベル、★★:中級レベル、★★★:上級レベル) 1.統計量と視覚化(★) 2.X管理図(★) 3.ヒストグラムと規格値(★) 4.工程能力指数(★★) 5.同時分布(★) 6.相関分析(★) 7.回帰分析と層別(★) 8.回帰診断(★★) 9.分散分析(★) 10.累積法(★★) 11.バート表と対応分析(★★) 12.層別因子の性質(★★) 13.群間変動と群内変動(★) 14.主成分分析の固有値と固有ベクトル(★★) 15.マハラノビスの距離と外れ値(★★) 16.原因の判別(★★) 17.二元配置実験の効果(★★) 18.重回帰分析と変数選択(★★★) 19.直接効果と間接効果(★★★) 20.直交表を用いた実験計画(★★★) 21.静特性のSN比(★★) 22.動特性のSN比(★★★) 23.不良の識別モデル(★★★)