【主要内容】 大学ではじめて統計学を学ぶ昨今の学生に対しては、数式を厳密に説いても、手順をていねいに述べても、全体の意味はなかなか伝わらない。意味がわからないまま機械的に頭に詰め込んだ数式や手順で成り立った知識を積み上げていくとき、最後に残るものは“さっぱりわからない”という実感のみである。 本書は統計学本来の意味を伝達することを主眼として書き、本文での説明において、目に見える形で表現できるものは視覚化するよう工夫している。その内容を実際に経験するためのコンピュータプログラムによって、統計学の主な手法のエッセンスを動的に視覚化した。これを見ながら学習することで、統計の本質をほぼ瞬時に理解できる。著者はこれを“Dynamic Visualization Method:動的視覚化技法”と呼び、論理の意味するところを印象的に学習できるようにした。付属CD-ROMには、2項分布、ポアソン分布、正規分布など15種の統計手法をVB(Visual Basic)の実行形式で収録している。実行形式は,手法ごとに画面図を添えてていねいに説明しており,容易に操作することができる。
【主要目次】 1章 統計学とは何か 統計学の扱う問題/無作為抽出 2章 標本の整理 3章 分布の性質 分布の基礎/平均の意味/分散の意味 4章 主要な分布 2項分布/ポアソン分布/正規分布/一般正規分布と標準正規分布との 対応/2項分布の正規近似/中心極限定理/分布を正規と仮定する根 拠(中心極限定理)/加法定理 5章 標本分布 標本平均および標本分散/標本平均の分布/カイ2乗分布:標本分散の 分布/t分布/F分布:標本分散の比の分布 6章 推定 信頼区間の決め方/平均の推定/分散既知の場合の平均値の推定/ 分散未知の場合における平均値の推定/2項分布の母数の推定/分散 の推定 7章 検定 検定の構成/帰無仮説による検定/分布の型の検定 8章 多変量 相関/分散・共分散行列/回帰 問題解答例 付録 附属CD-ROMについて