【主要内容】 トラブルの原因を分析する際、多くの企業において「結果論」からスタートした分析に終止している。例えば、マニュアルがなかったこと、チェックリストがなかったこと、ルール化していなかったことが原因であり、その対策は「マニュアルを整備する」「チェックリストを作成する」「ルール化する」といった具合である。 しかし、「マニュアルがないこと」が失敗行動をした動機だったのだろうか? 当事者は、そのとき正しいと思っている考えに従って行動したはずである。ただ、その動機的原因自体が間違っていたのである。 失敗学では、動機的原因と不具合事象の関係を「ワナ」あるいは「失敗のカラクリ」と呼ぶ。最終的に起こる不具合事象はさまざまであるが、人間がハマるワナは 業種や職種にかかわらず同じで、そのワナの種類はそれほど多くはない。だからこそ、過去に経験したワナや多分野で明らかになったワナから、自分野での未然防止ができるのである。 前著『失敗学と創造学』で大反響を呼んだ著者が、さらに進化した実践的ノウハウを公開する。
【主要目次】 第1章 重要な基本的考え 第2章 失敗学のエッセンス 第3章 失敗学のエッセンスのフレームワーク 第4章 フレームワークの重要ポイント 第5章 今までの原因分析と対策は間違っていた 第6章 失敗のイメージ図 第7章 「よく見かける分析」と「失敗学を使った分析」の比較 第8章 他の分析手法との比較 第9章 いい加減に使われている言葉 第10章 論理性のトレーニングのすすめ