本書は、いわゆる記号学や言語学の本ではなく、人間の感性や感情や意思や考え方が入っている「ことばのデータ」を、仕事の改善や、組織風土・組織体質の改善、職場の問題解決などに活用するためのものです。
QC七つ道具の特性要因図や新QC七つ道具をはじめとする、ことばを用いるQC手法の基礎となることばのデータは、従来の改善活動であまり手が付けられていなかったものです。今回、その定義化と整理を行い、本来手法がもっている機能を正しく発揮させることで、仕事の改善に役立てることができます。
第Ⅰ部 ことばのデータを知る
第1章 ことばの性質
ことばの二面性:真意と表意について/一文・一意・多感/ことばのゆら
ぎ」/ことばを使うために
第2章 ことばと思考
思考の強化/思考を図解化する/思考を強化する方法1:セルフトーク/思考
を強化する方法2:人に話すこと、人に説明すること/思考の強化トレーニン
グ/思考を強化した結果のアウトプット・要約カードづくり/思考と仕事
/遊びから思考強化訓練を行う/母国語思考/ことばは思考に影響し、思考は
行動を規定する
第3章 ことばのデータとは
ことばをデータ化して活用する/ことばのデータとは/ことばのデータの分類
/ことばのデータの留意点/抽象度とは/ラダー効果とは/
ことばのデータのまとめ
第Ⅱ部 ことばのデータを使う
第4章 ことばのデータの集め方
集めたことばのデータの活用方法/ことばのまとめ方について/
ミーティング(対話)から言葉を集める/日常会話の中から言葉を集める
/数値データから言葉を集める/現場観察から言葉を集める/
広く言葉を集める/ことばを集めることが、そもそもの始まり/思いついたこ
とはすぐにメモする
第5章 ことばのデータの見える化とまとめ方
ことばのデータの見える化/ことばのデータのまとめ方/要約カードの作り方
第6章 仕事に使いたい時空を超えるPDPC法
PDPC法をあまり見かけない理由/PDPC法のネックエンジニアリングの克服
の仕方/PDPC法のもう1つの機能/ことばのデータから見たPDPC法のポイン
ト
第7章 ことばのデータと連関図法
連関図法が新QC七つ道具に組み込まれた理由/因果関係を広く探索できる連関
図法/ことばのデータを連関図で活かすポイント
第8章 ことばのデータとマトリックス図法
マトリックス図についての懸念/マトリックス図の「本来の」機能/
マトリックス図の事例/ことばのデータでマトリックス図を作る
第9章 ことばのデータの活用事例
サークルの紹介/サークルの現状①/サークルの現状②/サークルの体質改善
への取組み/ことばのデータにより得られた価値
第10章 ことばのデータの教育
QC手法の教育とことばのデータ/数値データ系手法とことばのデータ系手法
での教育の違い/ことばのデータを取り扱う手法教育の現状/ことばのデー
タを職場で活用するための研修モデル/カリキュラム実施時のポイント/
これからのことばのデータ教育
付録 仕事に役立つことば
おわりに 新QC七つ道具開発者の方々の思いの伝承