本書は、ヒューマンエラー、特にうっかりミスによって生じる事故について心理学、もしくは認知科学の視点から解説したものである。タイトルどおり、ヒューマンエラー発生のメカニズムやその防止を考えるための知見を示した。
本書は、品質管理、事務的なミス、医療ミス、労働災害など、各種産業でヒューマンエラー防止に携わっている方を対象としている。もちろん、ヒューマンエラーは工場や事務所、病院だけではなく、日常のさまざまな場面で生じるものである。したがって、日常生活の中で生じるさまざまなヒューマエラーに悩まされている方や関心を持っている方も興味深く読める。
第1章 これまでの安全
管理的安全/管理的安全の欠点
第2章 もう1つの安全
創造的安全/創造的安全の注意事項
第3章 ヒューマンエラーのメカニズムを考える
ヒューマンエラーとは何か/ヒューマンエラーを起こしやすい状況/人の行為や判断の
メカニズム/ヒューマンエラーのメカニズム/記憶の問題が引き起こすヒューマンエラ
ー/注意の問題が引き起こすヒューマンエラー
第4章 ヒューマンエラーの防ぎ方を見直す
指差呼称(S-Ⅼ)/危険予知トレーニング(KYT)(S-Ⅼ、Ⅼ-Ⅼ)/コメンタリー・オペ
レーション/ダブルチェック(S-Ⅼ)/タイムアウト(S-Ⅼ)/ヒヤリハット報告(S-
Ⅼ、Ⅼ-Ⅼ)/フールプルーフ、フェールセーフ思想による道具・危機の導入、改良(H-
Ⅼ)/ヒューマンエラーを防ぐ基本的な考え方
第5章 ヒューマンエラーの原因を突き止める
後追い対策の必要性/さまざまな事故原因分析手法
第6章 ヒューマンエラーのススメ