本書は、100年に一度の大変革と言われる自動車業界において、自動車産業にかかわる方々を
中心に、GAFAのような巨大IT企業が参戦する環境で、今までの延長で構えていたのでは必ず
淘 汰されるという危機感をもつ有志によって執筆されました。来たる2030年に向かって、
モノづくりだけでなくコトづくりまでも含めた品質保証を行うためには何が課題となるのか、
MaaSを題材として研究しています。AIやICTなどの技術の進化に伴う人材育成や、今必要と
される「人間性尊重」の品質経営についても解説しています。
第1章 自動車を取り巻く環境の変化
1.1 2030年自動車業界はこう変わる(CASE視点の予測)
1.2 品質保証の課題の変化
1.2.1 「モノ」として見た車の品質保証
1.2.2「新モビリティ(コトづくりの道具)」として見た車の品質保証
1.3 品質保証の課題の整理
第2章 コトの品質保証と感情的品質
2.1 デザイン思考と品質保証
2.1.1 デザインという仕事
2.1.2 デザイン思考
2.1.3 デザイナーから見た品質保証
2.2(株)JTBに学ぶMaaSプラットフォーマーの課題と対応策
2.3 コトの保証の必要性
2.3.1 コトの品質保証の考え方
2.3.2「コト」の保証と感情的品質
2.3.3 コトの保証と感情的品質の重要性
第3章 コトを協創する時代に求められる品質保証(MaaSモデル)
3.1 MaaSにおけるステークホルダー間の機能と役割
3.1.1 MaaSの定義と想定モデル
3.1.2 MaaSにおけるビジネスエコシステム
3.1.3 MaaSにおける移動手段としてのモジュールの役割
3.2 仮想シナリオで考えるMaaSの品質保証
3.2.1 観光型MaaSの仮想シナリオ
3.2.2 医療型MaaSの仮想シナリオ
3.3 MaaSにおける品質保証に必要な考え方、アプローチ
3.3.1 ユーザーが被るリスクの抽出
3.3.2 MaaSの各階層におけるリスク回避のための課題抽出(サービス提供前
後で識別)
3.3.3 MaaSにおけるモジュール視点での課題
3.3.4 MaaSにおける品質目標の考え方
3.4 コトづくりにおける品質保証(感情的価値の担保)
3.4.1 顧客満足から顧客体験への変化
3.4.2 「コト」ビジネスの感情的価値
3.4.3 顧客体験(CⅩ)を意識した感情的価値
3.4.4 感情的価値づくりの事例
3.4.5 感情的価値の定量化
3.4.6 コトのビジネスにおける価値創造のために必要な能力
第4章 2030年の品質保証へ向けて
4.1 日本における品質保証の役割とその変遷
4.2 顧客価値を最大化する品質保証を行う上での組織課題
4.2.1 人間性尊重の品質経営
4.2.2 組織で散見する品質経営の現状課題
4.3 品質経営の先進的な取組み事例
4.3.1 日本特殊陶業(株)のDNAプロジェクト
4.3.2 (株)デンソーにおける企業内起業の取組み
4.4 2030年はますます人間中心の品質経営が求められる