TQM(Total Quality Management:総合的品質経営)は、SQC・TQCを経て時代の要請に応じてその概念・手法を進化させてきた、品質中心の経営アプローチです。デジタル化の進展著しい現代の経済社会においても十分に通用する、経営管理の基本に満ちた経営ツールであり、組織経営には欠かせないものです。
本書は、品質とは何か、品質管理と品質保証はどう違うのか、標準化の光と陰、といった基礎的事項の一つひとつに今一度立ち返ることで、TQM/品質/マネジジメントという基本的な視点から見た、世の中にはびこっている誤解を“斬る”とともに、その誤解の先にある「ではどうすればよいのか」までを提案・示唆するものです。
品質分野のエキスパートである著者らが厳選した23の“大誤解”を、「顧客満足のためにお客様の言うとおりにするべきか」といった、組織の部門・階層を問わず抱きがちな問いと、「品質管理では儲けることはできないのでは?」といった、組織のトップ・管理者層が心の底に持っている疑問に分け、『TQM みんなの“大誤解”を斬る!』・『TQM うちのトップ・上司の“大誤解”を斬る!』に分冊して語っています。
《トップ・上司編》
誤解12 品質管理をやっても儲かりません
誤解13 品質? もうとっくに価格勝負の時代なんだよ
誤解14 わが社の経営方針は顧客価値創造だから、品質管理とは別の手段を考えないとな
誤解15 品質不祥事やコンプライアンス違反はTQMと関係ないんですよね?
誤解16 TQMは方針管理とQCサークル、品質保証をやっていればよいですよね
誤解17 わが社はISO 9001認証を受け、検査もきちんとやっているので品質管理体制は万全です
誤解18 品質管理って工場(製造)がやる活動ですよね?
誤解19 品質保証部門の主な業務は「検査」と「クレーム処理」だよね
誤解20 しっかり標準化してみんなで守っているから日常管理はばっちりです
誤解21 わか社の方針管理は、各部門へ展開し、半年ごとに進捗確認もしていますから、まったく問題ないですよ
誤解22 QCサークルは自主的活動だから、方針管理で取り上げているテーマに取り組むのはまずいですよね
誤解23 当社はTQMとBPRをやってきたから、次にBSCはどうかね、最近は〇〇も流行っているみたいだな