トラブル・事故・不祥事の原因を掘り下げると、それらと人の行動やマネジメントとの関係が適切に理解されてないのでは、と疑問に思うことがあります。本書では、総合的品質管理(Total Quality Management:TQM)を人の行動を変える方法論としてとらえ、そのTQMの中で必要な役割を果たす日常管理について、標準化と標準、管理項目と管理水準などの日常管理の基本となる考え方とその実践について解説するものです。
第1章 トラブル・事故・不祥事が発生するメカニズム
問題解決を繰り返すと/局所要因と組織要因/人の不適切な行動のタイプ
人の不適切な行動が起こるメカニズム/トラブル・事故・不祥事の未然防止におい
て日常管理が果たす役割
第2章 日常管理の基本
TQM(総合的品質管理)とは/日常管理の考え方・方法・役割/標準化/異常の検出・
処置
第3章 日常管理の進め方
職場の使命・役割の明確化と業務の分析・展開/業務を行うプロセスの明確化/作業標
準書の作成と改訂/標準の教育とスキル訓練/意図的な不遵守の防止/意図しないエラ
ーの防止/管理項目・管理水準の設定と異常の見える化/異常の検出と共有、応急処置
/異常の原因追究・再発防止
第4章 日常管理の実践
日常管理における管理者・経営者の役割/日常管理の推進/品質賞受賞企業に見る日常
管理の実践
コラム1:プロセス、およびプロセスに関するノウハウ
コラム2:ヒューマンファクター
コラム3:工程と作業
コラム4:人間信頼性工学と品質管理
コラム5:PDCAサイクル
コラム6:TQMの核となる活動
コラム7:標準化と管理項目に関する誤解
コラム8:プロセスフロー図と業務フロー図
コラム9:プロセスの分解
コラム10:未然防止活動の効果の把握
コラム11:管理グラフや管理図は不要という誤解
コラム12:慢性的な不適合の原因追究と異常の原因追究
コラム13:マネジメントシステム認証制度と品質賞
コラム14:デミング賞における受賞の3条件