本書は、さまざまな分野、職種の技術者が知っておくべき機能安全についての基礎的な知識
を、具体的な事例とともに学ぶことができるものです。自分が開発している技術が安全にどう関
わっていくのか、またいかにして安全を確保しているのかを知ることによって、よりよい開発・
設計につなげることができます。事例として自動車および鉄道分野を取り上げていますが、生活
支援ロボット、ドローンなど一般の人々の生活に深く関わる機会・システムは今後多様さを増し
ていくと考えられます。本書のターゲットは、むしろこうした分野です。
安全設計を専門的に行う技術者のみならず、要素技術の開発に取り組んでいる方々、またヒュ
ーマンファクターの技術者にも読んでいただきたい書です。
第1章 機能安全を学ぶにあたって
安全の価値/情報通信技術と安全/安全概念の複雑さ/リスク/
安全のための手段:冗長性と多様防護/機能安全の位置づけ/機能安全が難しそうに見
えるのはなぜか
第2章 機能安全と背景
機能安全とは/安全と信頼性/国際標準化団体、規格体系/機能安全規格/安全の将来
展望
第3章 自動車の機能安全
自動車の機能安全/自動車の機能安全の事例
第4章 鉄道の機能安全
鉄道の機能安全/鉄道の機能安全の事例