大学における工学系学部専門教育での講義の教科書として『安全学入門』(初版)を出版してから15年が経過した。この間、東日本大震災とそれに伴う福島原子力災害、熊本地震、新型コロナウイルスによるパンデミックなどを経験し、現代社会がさまざまな脅威にさらされており、安全がいかに重要であるかを人々がさらに認識するようになった。
本書は、安全管理に携わる専門家や組織の決定に責任を有するリーダーが、広範囲にわたる安全問題の全体像を把握するための入門書である。第2版刊行にあたり、初版で用いた事例や文献を刷新した。本書は、大学での講義の教科書に使うことを前提としているが、企業や行政機関などの安全管理担当者や決定責任者の独習用にも役立つように配慮している。
第1章 安全の基本概念
第2章 リスク表現と安全目標
第3章 ハザードの同定
第4章 確率論的安全評価
第5章 事故分析
第6章 化学物質の環境・生体動態解析
第7章 毒性評価
第8章 化学物質による環境リスク
第9章 ヒューマンファクター
第10章 リスクマネジメント
第11章 リスクコミュニケーション